谷中ハチ助のブログ

登山、読書、ベイスターズ情報を谷中からお届けします

読書

【読書No.81】男の隠れ家を持ってみた/北尾トロ

四十半ばにして、家庭や仕事以外に居場所を探そう、それにはまず家族の待つ自宅とは別に、自分のためだけの別宅を持つのがよかろう。 これくらいの歳まで生きてくると、なかなか新しい関係性を構築するのは難しい。著者の試みや如何に? 雑誌の企画とはいえ…

【読書No.80】流/東山彰良

台湾在住の友人からこの本を紹介され、手にとった。なるほど、面白い。 台湾、日本、中国本土。共産党と国民党の間で揺れ動いた、「中国人」の家族の物語である。 台湾にいればこそ、その喧騒、舌で味わう料理、靄を含んだ亜熱帯の空気、常に大陸を意識せざ…

【読書No.79】のこす言葉 三浦雄一郎 挑戦は人間だけに許されたもの/三浦雄一郎

いくつになっても挑戦はできる。この言葉と三浦さんの実行力にどれだけの人が勇気づけられたことだろう。 著者は80歳でエベレストに登頂した冒険家。何度も死の淵に立たされて、運良く生還したという。他の著名な冒険家も誰かしら述懐していたが、臆病である…

【読書No.78】谷中スケッチブック 心やさしい都市空間/森まゆみ

我が街、谷中を総浚いしたバイブルともいえる著作です。 読んでみても、意外とすんなりと入ってくるのは、谷中の街の成り立ち、人びとの風習、墓地などの歴史的経緯と、過去に焦点がおかれ、街歩きの際、気になりそうな事物の由来が、網羅されているからでし…

【読書No.77】萩原編集長の山塾 実践!登山入門/萩原浩司

パッキングを始めて2時間、ようやく明日の山行の準備を終えました。はじめての一泊二日山小屋宿泊を目前にして不安がありましたが、本書の案内に従って整えましたので、不安を和らげるのに大いに役立ってくれました。 山小屋に泊まってみよう の項だけでも ①…

【読書No.76】呼ぶ山/夢枕獏

相当きてるといったら、言い得ていないかもしれない。 山に入ったら、ありそうかもしれないと感じることがある。 いないはずの人の気配だったり、羽ばたく鳥たちの羽音や鳴き声、獣たちの土を引っ掻く蹄。突風が木々を搔き鳴らし、流れた葉が頬を伝う。目に…

【読書No.75】人生なんてわからぬことだらけで死んでしまう、それでいい。 悩むが花/伊集院静

唖然とした。絶句した。率直な物言い。ここまでとは。 本書は伊集院静さんが週刊文春で連載していた、読者からのお悩みに答える形式で連載していた記録を収集したものだ。 感想だけ書いても伝わらないだろうから、一部の要旨をご紹介する。 Q 結婚式のスピー…

【読書No.74】僕は勉強ができない/山田詠美

この本と出会っていたら、青春時代がもっと楽に過ごせたかもしれない。 大人になってから、青春モノや学園モノをいつしか避けるようになっていた。それには、気恥ずかしさや、あの頃と同じような感情をいだいて、読むことはできないという、断定に近い偏見が…

【読書No.73】春を背負って/笹本稜平

奥秩父にある地味な山小屋をめぐるドラマ。こう書くと、遭難と捜索、恋愛、雪解けと悪天候、出会いと別れなど、ふんだんに山にまつわるエピソードが盛り込まれているように思えるが、実際そのとおりであり、劇的ではない、日常の延長上に、この本の魅力が詰…

【読書No.72】いつか海に消えゆく BLOODY DOLL 15/北方謙三

タイトルからして北方ワールド炸裂!あまりにもハードボイルド。男を上げるなら読まなきゃいかんでしょこれは。 私は不定愁訴のように、北方作品の波に飲まれる。飲まれて、揉みくちゃになり、天地がひっくり返るが如くクルクル廻され、引き裂かれ、ずぶ濡れ…

【読書No.71】タイニーストーリーズ/山田詠美

恥ずかしながら、山田詠美さんの作品を読んだことがなかった。もちろん、高名は轟いているし、評判だって耳にしている。特に、女性からの支持が圧倒的だということが、私をはじめの一歩から遠ざけていたように思う。いいらしいよと、聞けば聞くほど、頑なに…

【読書No.70】ひと/小野寺文宜

貧乏(今だって、余裕がある生活とはいえないだろたうが)だった学生時代、若くて、先がら見えなくて、それでも未知の豊かな、光り輝く将来を信じることができた頃を思い出した。 主人公は地方出身のフリーター。父母を相次いで亡くし、金銭的な苦しさから大…

【読書No.69】星を継ぐもの/ジェイムズ・P・ホーガン

難儀だった。続出する技術系単語。一文に3つも4つも知らない語が出てくる。難読は更なる難読を招き、始点と終点は全く懸け離れた果てしない連環のように思えた。 しかしなんとかクライマックスを見るに至った。根気強く先を追いかけさせてくれたのは、物語…

【読書No.68】 人生教習所/垣根涼介

タイトルを見て、表紙の美しい青空と、透明な海に導かれるように本書を手にとった。題からして、コメディなタッチかと思いきや、少々そうした側面もあるにはあるが、この作者オリジナルのハードボイルドな空気感を纏い、かつ多分に居住まいを正されつつ読み…

【読書No.67】介護入門/モブ・ノリオ

どこまでも斬新な内容だ。 タイトルだけを見れば、技術的な面をメインに、介護とはこういうものだから、心しなさいよ、あるいはほどほどにしましょうや、と読者を慮り、あなたは一人ではない的な寄り添いが試みられるのが、通常であろう。 しかし、本書はむ…

【日経小説大賞】今年も激論の座談会でした!

佐伯琴子さんの「狂歌」受賞式に参列。 メインは、選考委員の辻原登、髙木のぶ子、伊集院静の大御所三氏を交えた座談会。ここで、選考委員が受賞者をいじり倒し、かつ受賞作の面白さと、新人作家の横顔、遍歴をほじくり返し、ときには大いに激賞し、ときには…

【読書No.66】店長がいっぱい/山本幸久

カウンター越しに丼物を客に提供する店長。 表紙どおりそこかしこのチェーン店で展開される風景を想像しつつ、手に取ると、そこには店長たちの苦悩と喜びと、人間ドラマに満ち溢れた連作が繰り広げられていた。 女手一つで創業し他人丼を全国展開させた会長…

【読書No.65】私が食べた本/村田沙耶香

作者らしいタイトルのつけ方だなと感心した。食べるが如く、地肉になっている。そんな気がした。 村田沙耶香の書評集が出たばかりだと知って、急ぎ本書を入手した。 やっぱりというべき、偏愛ぶりである。山田詠美、川上弘美らのちょっと変わった仕立てにな…

【読書No.64】 1R1分34秒/町屋良平

ボクシングを観るどれだけの人が、チャンピオンでもないその他大勢のふつうのボクサーを知っているだろう。 業界人やその周辺に身に置く立場になければ、その生態は知るきっかけは少ない。本書は、将来を嘱望されているわけでもない、しかし、ボクシング以外…

【読書No.63】 凍/沢木耕太郎

読中から、寒気がする。震えが止まらない。 タイトルどおり、凍える内容だった。 エベレストに連なる山々を登攀する、日本を、いや世界を代表する夫婦の物語。 寒さに凍え、餓えに耐え、次第に効かなくなる身体の自由。それでも2人は頂上を、生還を諦めなか…

【読書No.62】女生徒/太宰治

女性の気持ち、が少しはわかるようになったかもしれない。 人間失格、が苦手だった。九州の実家には読みさしのそれが確か4冊あった。忘れた頃に断念したことすら忘れていたが、合わないのに固執していたのだ。でも結局は投げ出した。 今回、因縁ある太宰治作…

【読書No.61】 神々の山嶺(上・下)/夢枕獏

熱くなった。痺れた。上下巻1,200ページにも及ぶ長大なエヴェレストの頂きを目指す物語を一気呵成に読んでしまった。 いわゆる山岳小説推しのレビューを雑観すると、大抵本書が五指に数えられている。納得だ。 最初に世界最高峰に登頂した証拠としてカメラの…

【初めてのメルカリ】

初体験はいつだってドキドキする。 恥ずかしながら、今頃になってメルカリを始めた。新しい年の始めに、新しいことを始められて、なんだか幸先よい。 1 写真に撮る 2 アプリを立ち上げる 3 値段をつけ、簡単な説明をつける 4 アップする たったこれだけでい…

【読書No.60】てっぺん 我が妻・田部井淳子の生き方/田部井政伸

妻は妻、夫は夫。理想の夫婦像がここにある。 妻・田部井淳子は人類史上女性初のエベレスト登頂を成し遂げた傑物である。縁があって、生前の彼女を目の当たりにしたことがある。本書で評されるように、傍目はどこにでもいるおばさんだった。オーラなんてなか…

【読書No.59】 風立ちぬ・美しい村/堀辰雄

ジブリが映像化するにあたり、宮崎駿監督がモチーフにしたとされる原作を読んでみた。 難解だった。深刻な闘病と、つきっきりになる小説家。日記調の文面からは切迫感がなかなか掴めず、淡々としたタッチからは感情移入がそうたやすくできない。 原因を考え…

【読書No.58】 青春を山に賭けて/植村直己

恥ずかしながら植村直己の偉業を正確に理解していなかった。世界初の五大陸最高峰登頂、アマゾン川単独筏下りなど、数々の輝かしい冒険を成し遂げている。本書は、その前半録ともいえる、山との出会いから、グランドジョラス氷壁登頂までを収めている。 本人…

【今年の目標】ブログの毎日更新

旧年中はお世話になりました。 昨年は50回の登山と100冊の読書を掲げましたが、結果は登山は37回、読書は70冊くらいでした。本年もこの2つは適度にやっていき、その分アウトプット中心に回していきたいと思っています。発信し続けることで少しでも活動の幅…

【読書No.57】 学びを結果に変えるアウトプット大全/樺沢紫苑

衝撃を受けた! ◯インプット:アウトプット=3:7 ◯インプット 読む、見る ◯アウトプット 書く、話す、行動する ◯アウトプットしないと記憶が定着しない ◯インプット、アウトプットの仕方満載 ◯2週間で3回やれば記憶に定着する 全くできていないのだ。 私は…

【読書No.56】 こんな夜更けにバナナかよ/原案 渡辺 一史

進行性の病、筋ジストロフィーの患者が、食べたいものを食べ、読みたい新聞を読み、好きな異性とデートする、そうしたごく当たり前の欲求を追求した、実話に基づくお話。 本邦において、障がい者をとりまく環境は厳しい。乙武さんの例を挙げるまでもなく、自…

【読書No.55】 日本ペンクラブ名スピーチ集/浅田次郎ほか

世界各国にペンクラブなる団体がある。作家、編集者、詩人…言論の自由、表現の自由、国際的連帯を標榜している。 日本のペンクラブ代表は吉岡忍。本書は2007年に前代表の浅田次郎が、米原万里、椎名誠、井上ひさし、立松和平、辻井喬、阿刀田高、高樹のぶ子…